コラム

運送業界の人手不足への対応②

今回は前回の続き、求人に困っていない会社
実例です。

この会社では、採用に非常に力を入れています。

面接は2回行います。

面接で重視しているのは、人間性です。

とりわけ素直さがあるかどうかを重視しています。

そして、20代の未経験者であること。

1次面接をパスしても、すぐに採用はしません。

2次面接をします。

2次面接は、先輩の横に乗せて仕事(運送業務)を
体験してもらうのです。

車内では、じっくり話をする時間が丸1日あります。

流石に1日一緒にいると本音やボロが出てきます。

面接が終わって、どうだった?と聞くと、「あの子
お金の話ばかりしていましたよ」などということになり、
その方は残念ながら「不採用」となるわけです。

2次面接でパスしても採用はしません。

一旦家に帰らせますが、その時に「何があっても
3年間働く気無かったら断ってください」と
伝えます。

そして、既婚者なら奥さん、独身なら親御さんに
相談するよう伝えるのです。

すると断ってくる人もいます。

そんな人は、入社してもまず続かないと言います。

だから、採用しなくて良かったということです。

仮に10人応募があっても、1時面接6~7人になり、
2次面接3~4人になり、最終採用するのは1~2人
だそうです。

この子は入れても大丈夫だろうという人しか採らない

入ったら何とかなるだろうという人は採用しない。

そのように納得できるいい人を選べるのは、
沢山の応募があるからです。

応募が少ないと、この人を逃したら次はないかも
しれないということで、とりあえず採用したものの、
不良な人材であったため、後々、労使トラブルに
発展してしまった、ということになりかねません。

しかし、応募数が多ければ、じっくり良い人財だけ
選りすぐることができるのです。

そういう意味では、拡散力が絶大で、応募件数の
確保
につながるSNSの活用は、必須かもしれません。

ただし、良い人財が入社してくれても、
思っていた会社ではなかったとなると、
早々に離職してしまうことになる。

だから、採用にSNSを活用する前提として、
良い会社にしておくことが重要なのです。

この会社は、なぜ離職率が低いのか。

その理由の1つ目教育です。

会社の経営理念(会社の存在理由)、仕事の意味目的
(何のために仕事をするのか)、社会人としての
あり方
などを社内教育、毎朝のメール、社内報などで、
伝え、浸透させていくのです。

仕事は生活をするためではなく、お客様に喜んで
いただくため
にあります。

お金の為となると、お客様にご迷惑をお掛けしても、
「自分は仕事をした。お金をくれ」ということに
なります。

お客様の喜びは二の次。まずは自分のお金が大事
となると、サービスはそっちのけになります。

お客様に喜んでいただけたら、良い給料は後から
ついてきます。

前回もお伝えしたように、お客様が求めている
ことはそんなに難しいことではありません。

遅れてもすぐに連絡してほしい。

間違いがあれば正直に早く報告してほしい。

少しでいいから気の利くことしてくれたら嬉しい。

明るく元気に挨拶してほしい。

身なりや車両を清潔にしてほしい・・など、
一般のサラリーマン社会なら、誰でもできる
普通のことです。

それがこの業界はできない。この普通のことを
誰もができることが、難しいのです。

荷主は言ってくれます。

「出荷を間違えても、社長のところは気が付いて
くれるよね、助かる。社長のところのドライバー
任せたら安心で、ええわ」と。

このように理念教育を徹底することで、価値観の
共有
を図っているわけです。

お客さまが求める普通のことも、経験者に教育する
のは、難しいことなのです。

だから、20代の未経験者ターゲットにしています。

35歳以上は、未経験者でも採用しないというのは、
35歳以上になると、固定観念が染みついており、
自分自身の考え方が、出来上がっているからです。

教育では外部講師を活用することもあります。

事故防止対策コーチングチームビルディング
などです。
これはいい”というものはすべて試してみる
というのが社長のスタンスです。

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